新しい音色

出来すぎの僕たちは身をかわすばかり
ヒット作の続編に似たお約束の塊で
「僕は僕で君は君だ」
盛り上げるセリフも“価値観”をうまく使った手品みたいだな

分かち合っている振りのうまい 言葉というツール
未熟なまま奏で合う あやふやな僕らの響き

「ひとつになんかならなくていい」
遮断してんだろうガラス扉で 見えてんのさ上辺の形は
でも音は聞こえない
いつも僕ら 向き合うための言葉じゃない懐かしい音色
胸の楽譜に書き込まれてる けど間違えそうでうまく弾けないんだ

模りの優しさならおざなりなイメージ
どんな言葉を紡いでもウソつきのそれのようで
でも言われんだ「話さなくちゃ 伝わらないんだ」と
1にしなきゃ0は0で ないことと同じ

分かち合っていくためうまれた 重なり合う言葉
未熟なまま奏でても あふれ出す僕らの響き

昨夜君が聞かせてくれたなんでもない言葉が
扉開くんだ 鍵穴に届く 心が軽くなる
「またね」と言った君の笑顔ではじけるように答えがよぎる
声になるより先にあるもの 今伝えたいな 拙い音色でも

未熟なまま奏でても 繋がる僕らの響き

「ひとつになんかならなくていい」
そんな事は気づいているんだ
いつだってさ 響きあっている場所が同じならいい
いつも僕ら向き合うための 言葉じゃない新しい音色

胸の楽譜に書き込まれていくから
奏でよう それぞれの音色で
奏でよう すべてが届くまで
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