海を泳ぐ男

あんまり 夜が滲みるから
闇にまぎれて ハネてみる

やさしくするのは 悪くない
顰めっ顔は似合わない

あの頃 急いだ 人生が
今はしみじみ なつかしい

時代は変わったそうだから
君のうしろに 僕はいる

世界をナナメに 泳がない
僕等は 胸にしみている

若さが街に 流れこみ
遠い記憶と口づける

かしこい事など ウソだから
少しくらいは いさましく

幾千万の経験は
夢のかけらが 消えたあと

時代は 変わったそうだから
何かが古くなって行く

いきがらないでも よくなった
僕等は 胸にしみている

ありのままで いればいい
こだわる程のことじゃない
あれはみんな 陽炎だったから
今は少し滲みるさ この胸に
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