水無し川

北から吹いた風に 追われて
旅立つ僕を 許してくれよ
寒い都会に 行こうと思う
そこで仕事を 探すつもりだ
冬将軍の 足音がする
君をあたため 愛せもしない
この木枯しを 切り抜けたなら
いつか二人で 暮す日も来る
いつか二人で 暮す日も来る

水無し川も 昔はそうさ
空に届けと 魚がはねた
さらば冬枯れ やせた畑よ
便りのないは 無事だと想え
なけなしの夢 はたいて賭けた
いちかばちかは 男の賭けさ
君の汽車賃 送るかわりに
最後の酒に 酔うかもしれぬ
最後の酒に 酔うかもしれぬ

流氷が消えて 春になっても
君の気持ちが 変わらないなら
その黒髪を 切らないでくれ
僕はひと目で 愛を知るだろう
今はこらえろ いとしい君よ
あゝ人生は 廻り舞台だ
吹雪のあとに 春の陽射しが
花に酔ったら その時泣こう
花に酔ったら その時泣こう
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