酔待草

緑の地図を指でたどって
君の家(うち)までバスに揺られた

暗い路地裏で煙草に火をつけ
コートの衿から二階を見あげた

宵待草に酔う街 俺は何を待つ
たとえ逢っても 抱く気もないのに
あー 淋しさが 風邪ひいちまった

都会で君は化粧を覚え
よそゆきの顔で帰って来たね

愛って言葉紙くずみたいに
破く女に変わっちまったよ

宵待草に酔う街 月が何を言う
酔ったいきおいで ふられた女に
逢いにくるなんて ひきょうだと笑う

宵待草に酔う街 俺は何を待つ
朝日に氷る 俺を見つけて
君も涙で 振り向くだろうか
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