月桜

飲めと言われて 朝まで飲んで
遠く離れて 旅立つ女

酒よ酒よと 酔いつぶれ
別れの桜が舞う

惚れた女は おまえだけ
送る背中が辛いから

あぁ月桜 舞い散る想い
わたし、始発で向かいます
あぁ月桜 ただ会いたくて
今日も ひとり酒

あなた逢えない淋しさを
今日も紛らす ひとり酒

あれから月日が経ったねと
行きずりの桜が舞う

所詮器用に言えやしない
連いてきてくれ 今すぐに

あぁ月桜 舞い散る想い
わたし、始発で向かいます
あぁ月桜 ただ会いたくて
今日も ひとり酒

「あれから15年
オマエは手紙もよこさなくなっちまったが
ずっとオレはあの頃のまんまだぜ
月がキレイだ
ああ今夜も 酒がうまいなあ。」

あぁ月桜 届かぬ想い
わたし、始発で帰ります
あぁ月桜 忘れられなくて
明日へ進めない

「潮時ってのもいかがなもんだい?
ほら、オマエのところの桜も咲き始めたみたいだ
そろそろ、新しい月でも見に行こうかな。」
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