教室

真っ黒だった
それが始まりだった
なんか一つ大きな音がして
ゆっくりと色がついた
両腕が囲んだ頭を起こして
筆箱を拾った君と
目が合った
あの音の犯人は君
何なんだこれは
俺は寝ぼけてんのかな

なんだか気になってしまって
視線の先には
君がいた 君がいた
また目が合いそうになって
そらしたけれど
やめとけって頭で言って
言葉になっていないからまた
またすぐに君を見た
君を見るんだ

真っ白だった
俺の頭の中を
何か一つ小さな実が弾けて
ゆっくりと色がついた
この色の犯人も君
大袈裟な俺の
咳ばらいが君を呼ぶよ
何だか気になってしまって
もう上手く見れない
俺がいた 俺がいた
まだまだ広がっていきそうな
俺の中の色に
やめとけって押さえてたって
横でもう一個実が弾けた
色があるよ
君の色が
広がるよ

何だか知らない感情の
曇り空の向こう
君がいた 君がいた
また出会う事なんてないよ
きっとこれが俺の
初恋って大人になって
気付いてたんじゃ
遅いから
また君を見た
確かめようと
君を見るんだ
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