風の扉

どこまで行ったの?
遠すぎる過去に
置いてきたはずの あの場所へ
いつか もう一度帰るため

写真や言葉が 雑誌に載っても
声がラジオから 聴こえても
今は 本当の自分のことさえ
わからない

流行り言葉 使うように
愛について 論じる人たち

この世の中に 信じられるのは
空に 風の扉が開く
音を 聞いたことのある人と
同じ数ね

命の果てを 旅するような
恋も いつの日にか 記憶の
隅のショーケースの中 並べられ
保存される

それでも 今 この目の前で
笑う人を 失くしたくない

廻り続ける空の車輪は
決して 燃え尽きることもなく
今日も 歩みを止めない時代を
照らしている

今 わたしが目指す場所は
たったひとつ
探すことを やめはしない

この世の中に 大切なものは
空に 風の扉が聞く
音を 聞いたことのある人と
同じ数ね

風の扉 開く時に...
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