絵本

日が変わって2時半 まだ眠たくない
描きかけの絵本 まだ2ページ目くらい
僕は別に絵本の作家ではなくて
思いつきで昨日書き始めただけ

キミによく似てる女の子を描く
夜のボートに乗る 君と二人乗り
それだけじゃどうにも話が続かない
誰に読ませるわけでもないけど

こんな風に 僕はキミを
思い出してる 断りもしないで

ねえ もう寝てるかな まだ起きてるかな
夜遅くに迷惑かな
声が聞きたくてさ
なんてことを 本気でついさ 思ってしまう夜

続いて二人はベンチでおしゃべり
公園の出口をふさぐ大きな月
夜の公園は少し冷えるから
手をつなぐだけで分かり合えたりする

どんな風に 僕はキミの
心の部屋に飾られてるんだろう

大きな置物かな 目立つところかな
部屋の隅で倒れてないかな
それも仕方ないかな
あの丸い月より遠い すぐ近くに住むキミ

日が変わって3時半 まだ眠たくない
なかなか進まない 君に会いたいな

ねえ もう寝てるかな まだ起きてるかな
誰の手に繋がれてるかな
声が聞きたくてさ
キミも今同じように思ってたらな

描きかけのこの絵本 読む人もいない
終わりの無いふざけたストーリー
キミに読ませたいな
なんてことを 本気でついさ 思ってしまう夜
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