旅の角兵衛獅子

旅のたそがれ 知らない街で
とんぼ返りを していたら
夢で見た見た 母さんの
ほそい眼のよな 月が出た
わたしは淋しい 角兵衛獅子

まねく太鼓に 寄る子を見れば
親につれられ にこにこと
わたしゃ親なし 友だちも
遠くはなれた 旅ぐらし
わたしは涙の 角兵衛獅子

つらいかせぎも ひもじい夜も
みんな知ってる 獅子頭
風に吹かれりゃ 笛の音も
故郷恋しと すすり泣く
わたしは旅路の 角兵衛獅子
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