独酌酒

灯(あか)りにじんだ 裏通り
人が恋しい 雨の夜
話し相手の お客もいない
肩を寄せあう あんたもいない
あゝさみしいね……
未練とまり木 独酌酒(ひとりざけ)

世話になったと 置手紙
どこへ流れて 行ったやら
あんた十八番(おはこ)の 演歌が沁みる
隙間だらけの 心に沁みる
あゝせつないね……
偲ぶおもかげ 独酌酒(ひとりざけ)

なみだ拭いたら 思い出も
すべり落ちそな 不幸指
ここで酔いどれ 帰りを待つわ
命あるまで あんたを待つわ
あゝ逢いたいね……
夢を抱きしめ 独酌酒(ひとりざけ)
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