あの雲の下

辛く尾を引く別れの汽笛
押さえる程にはらはらと
掌濡らす切ない涙
私の心捧げ尽した
あなたが遠くかすみ行く
胸に無情の潮風が

二人っきりの小部屋の中で
語り明かした思い出を
印して行くよ心の底へ
あなたのいないこれからの日を
幻だけを追って行く
恋しい名をば呼び乍ら

かすかに残る航跡追いて
眺める行手淡路島
あの雲さえもあなたの姿
飛んで行き度い鴎の様に
又逢う日迄唯一人
冷たい風に染む涙
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