奥入瀬川

出直すつもりの 旅発ちなのに
なんで未練が 袖を引く
あなた忘れの みちのくは
川の瀬音が 道しるべ
奥入瀬川は 三乱(さみだれ)を
越せば阿修羅(あしゅら)の
越せば阿修羅の 波が立つ

どうして許した 苦しむだけの
添えぬ恋だと 知りながら
愛を重ねた 想い出に
負けて塩瀬(しおぜ)の 帯が泣く
奥入瀬川は 白糸の
滝があなたの 滝があなたの 声になる

他人と言う名に 変わったものを
いまもあなたを 心待ち
先を急げば みちのくは
馴れた草履が 重くなる
奥入瀬川は 十和田湖の
宿で今夜は 宿で今夜は 忘れ酒
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