あなたの全部

深呼吸して見送る
悲しい決意で
発車のベルがホームに響く

眠れない夜 電話で呼びだすとすぐに
はみがきついたシャツのまま走ってくれた

クラクションに消されて ふたり奏でたハーモニー
夢の途中で針とびした

はじめて恋した日の あふれる力がほしい
いつも大事なことは 失くしたあとで気づく
横顔も あの声も
あなたの全部 愛しつづけた

鏡の向こうながめると
つぼみもふくらみ
早く咲けよと はげましている

夕立のあとぬけるよな 青空 広がる
新しい靴 人の波 背のびしていた

少しずつ すきになって少しずつ 傷つけあい
少しずつ 失っていった

はじめて恋した日の あつい涙がほしい
あなたの望む海に 私はなれなかった
やさしさも激しさも
この先ずっとであえないね

朝がおとずれて 街は動きはじめる
きのうから明日へと 歩いてきたこの道
きっとまちがいじゃない
あなたの全部 愛してたから
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