春爛漫

手に構えた一眼レフの
レンズの中あなたは振り向いて
春の海はひねもすのたり
寄せる時の流れもゆるやかに

未来の花嫁の腕に
花を投げる風と木の詩(うた)

大地は浅き夢見し春
淋しき色は匂えど
春……春……らんまん
一人のただの女として
あなただけのために生きているから

二歩遅れてあなたの背中
ヘッドホンを下げてる影を踏む
やさしささえはなせないけど
今 無言の約束信じても

未婚の旅人の先に
花の枝が作るトンネル

過去から未来への長旅
あなたの腕に触れれば
春……春……らんまん
一人のただの女として
心決めた言葉口に出さずに

大地は浅き夢見し春
淋しき色は匂えど
春……春……らんまん
一人のただの女として
あなただけのために生きているから
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