水鏡

口に出してはいけない事
かくしきれずに言ってしまった
黙ったまま越えようとした
秋も待ってはくれなかった

“妹みたいだ”って
言ってくれたあなたのやさしさ
つかみきれない影のように
背中ごしに微笑んでいた

通り雨がこぼれてできた水鏡
寄りそえない悲しみを写す
涙 ひと粒 こぼれて ゆれて
きざみこまれた水の輪 心に残る

あなたを追いかけて
人影をさまよった
あなたに似合うあの女(ひと)が
まぶたの裏に焼きついてる

私からお願いして
せがんだせつない口づけ
冷たい雨に冷えたまま
ただ泣きながらしがみついた

通り雨がこぼれてできた水鏡
寄りそえない悲しみを写す
涙 ひと粒 こぼれて ゆれて
きざみこまれた水の輪 心に残る
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