手紙

いまはもうない鉄道の窓にながれていたのは
生い茂る木々や花や海や空で
なんの不安も恐れもなかった

「思っていたよりも
生きてくのは大変でしょう?」
辛い日にはこっそり一人泣いてること
知ってるようなタイミングの電話

こちらは元気でやってるよ
そちらも元気でいますか?
転んで情けなく泣くこともあるけれど
この長い障害物競走を進むたび強くなれそうだから
いま手紙の代わりにこの歌をうたうんだ

今日の日をくれたこと、
本当にありがとう

メトロが私を乗せて走る
窓に流れていくのは大きな空や田んぼや畑じゃなく
暗いコンクリートと 不安な横顔

着々と家庭を築く同年代の友達を
羨ましくなってしまったり、焦ったり
そんな気持ちもなくはないんだけど…

こちらは元気で歩いてるよ
そちらも元気でいますか?
目指す場所はまだ遠いけどまっすぐに行けるよ
傷つくたびに優しくなれるならそれも悪くないよね

いま手紙の代わりにこの歌をうたうんだ
幸せを当たり前と思わないように

元気で進んでいくから
そちらも元気でいてね
「辛くなったら帰っておいで」あなたは優しいけれど
ずっと守り続けたい大切なもの見つけられたから

この街でこの夢をかなえるまで帰らない
ずっと信じた道を進んでいくよ
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