和江の舟唄

酒の終わりは 丼(どんぶり)めしに
煮汁(にじる)ぶっかけ 掻(か)き込んだ
そんなあんたが いとしくなって
男やもめに お節介
わたしはかもめ あんたはやもめ
和江(わえ)の港の かくれ妻

無理はしないで 人それぞれに
流れ浮(う)き寝(ね)の 過去をもつ
女房きどりで つくしてみても
いつも勝てない 影がある
わたしはかもめ あんたが命
和江の港の 風に泣く

夕日背にして あんたの船が
波にもまれて 帰る頃
セリで高値が ついたらいいね
髭(ひげ)の笑顔が 見たいから
わたしはかもめ あんたは漁師(おとこ)
和江の港は 日本海
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