ANGEL

蜜月に 貝殻探して埠頭で迷い
明日行きの フェリー間に合わず途方に暮れる
風と碧 もう夏の片隅
砂の城は 過ぎた浪漫

甘い囁き 心をえぐり堕ちるのが嫌なら
雨に憑れたら 口紅を拭きただ思い出すもいい

秘め事の終焉に誰もが孤独りで希う
空に夜 塗るのなら少し月は残して
時世など理解らなくていい
夜の底で抱いていたい

君がもうすでに かつてのように微笑うのが無理なら
浅い眠りに誘われたふり 背中で聞けばいい

愛さないの? ふたりは愛せないの?
あの君は何処に 夏の夜に消える

時間は過ぎ去り 夏はまた去り 堕ちていく天使を
雨憑れたから 口紅を拭きただ思い出しただけ
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