ナナカマド

白く凍った朝の丘で
真っ赤な宝石見つけました
霜をまとったナナカマドの実
吐息で溶かしてあげました

手のひらの中の赤い粒を
ぼんやり見つめているうちに
あなたを思い出しました
こんなに冷たい季節でも
あなたは旅路にあるのでしょうか

あなたが旅立って行ったのは
まだ雪が残る頃でした
それから何度も季節は過ぎ
わたしの背丈も伸びました

ゆっくりゆっくり育っていく
ナナカマドは生命(いのち)の木よ
この木がもっと大きくなって
真っ白な花を咲かす頃
も一度あなたに会えるでしょうか
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