夾竹桃

ひと枝折れて
ほのかに香る想い出よ
忘れたはずの人なのに
二人暮らした部屋の窓辺には
夾竹桃が今も咲いている
紅色の花びらが心を揺らす

夕暮れ染めて
静かに灯る街の燈よ
足音ばかり気にかかる
あなたの好きな手料理を覚え
時計見つめて いつも待っていた
鉢植えの紅い花 想いを寄せる

別れの辛さ
心の傷は薄れゆく
悔んでみても遅すぎる
あなたのことを想い出す度に
夾竹桃の燃える花びらに
夏の日の帰らない幸せ浮かぶ
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