まばたき

車の中 真夏の風があおいで
ハンドルを握る髪が揺れる

ふとした瞬間のまじめなその目が
私のこの瞳を奪って まばたきさえ忘れてしまいそうだよ

すぐに消えちゃいそうな あなたの姿をずっと
この目に焼きつけて もって帰っちゃいたいよ

「夜景が見える あの丘までゆこうよ」と
スピード上げて はぐれたふりをして

ふとした瞬間のやさしいその手が
私のこの手の平を奪って 呼吸さえも忘れてしまいそうだよ

すぐに消えちゃいそうな 二人だけの時間を
かばんにつめこんで もって帰っちゃいたいよ
”スキ”といえないような 平行線のこの距離で
いつでもこの胸が もって帰っちゃうのは不安なんだよ

すぐに消えちゃいそうな あなたという存在の
何もかも全てを もって帰っちゃいたいよ
“スキ”といいたいような この夜のこの空が
いつまでもこのまま 朝日を忘れてしまってほしいんだよ
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