雨だれ

屋根裏の窓から覗いた街は 低く雲を垂れ濡れている
いつもの朝の憂鬱 君にもわかるでしょう なんてね
雨だれの気まぐれリズムに 誘われ再び眠りに落ちてく
夢の隙間から差しこむ光 触れるだけで 消えてく
何も変らない日常 君が読みかけの小説
部屋にあるのはそれくらい 訪ねる人もいない
足早に通り過ぎてく 人の群れは窓の外で 雨に濡れてる

誰かが忘れた想い出を感じて 振り返るあの坂道で
季節の輪郭をなぞるように 影法師が泣いてる
君と聴いていた雨だれも 途切れたまま 意味を塗り替えてゆく
夢のつづき描く君の胸に 触れるだけで 消えてく
何も見えなくなるまえに 君の景色を見ておこう
小さな部屋の僕の声 咎める人はいない
足早に通り過ぎてく 人の群れに紛れて見えた
雨上がりの濡れた君
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