春雨よ

僅かな塵さえ見つからぬ 惑い無き目で俺を覗く
次から次へときりも無く お前の心を欲すばかり

さほど日毎に からかわれずに 風も清しく手を引いた

参ろうか 肩を寄せ 交わそうか 言の葉を
参ろうか 傘さして 入らんと 濡れちまう
流る季節の いと憎し
結んで 直して ほころんだ

やがて春雨は降り出した 夕空はいつしか泣き出した
長く鮮やかな年月が お前の心を埋め尽くす

相も変わらず 他愛も無く 投げ遣るならば動けずに

参ろうか 肩を寄せ 交わそうか 言の葉を
参ろうか 傘さして 入らんと 濡れちまう

参ろうか 肩を寄せ 交わそうか 言の葉を
参ろうか 傘さして 入らんと 濡れちまう
流る季節の いと憎し
結んで 直して ほころんだ

もうじき巳むだろうか
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