紀ノ川

次の世の 我が子の幸(さち)を
祈って流れる 川がある
逆らわず 生きるが善(よ)しと
両手合わせて 立ち尽くす
母の願いが 叶うなら
せめて届けて 紀ノ川よ

(台詞)
川と同じや 人の世も
流れに逆ろうてはならんのやえ

いつの世も 変わらぬ川よ
どんなに時代が 変わろうと
燃え盛る この血を誰に
受けてもらおか 渡そうか
どうか親子の いさかいを
洗い流して 紀ノ川よ

人の世の 澱(よど)みに沈み
早瀬に運命(さだめ)を 流される
惜しむ春 桜の情(なさけ)
散って又くる 春はくる
花の命は 尽きるとも
今も流れる 紀ノ川よ
×