田中さん、愛善通りを行く

遠くの街が光に包まれた夜
知らない人が気になって雨宿りするんだ
夏の雨は二人を射してまだ見えない色を出すのさ
にわかに訪れた次の季節のように
田中さんはいつも笑うんだ
晴れた朝も雨の夜も
田中さんはとても優しくて
見てるこっちが辛いんです

知らない人が遠くの空を眺めてる
止みそうにない雨の中をぼんやりと探した
夏の雨は形が悪くてつかめなくて悲しい音で
二人はいつの日か約束を守らない
田中さんはたまに怒るんだ
苦い味のままにするなって
田中さんはそして話すんだ
それはそれはいいことを

田中さんは
何があってもしっかり見つめてる
田中さんは
小さいけどたくましい
頼もしいタマです
×