透明傘

星が見えない夜 止めた車の中 あなたは遠くを見てる
フロントガラスに 降り出した雨が 知らない顔で音を立てた

いつもこの場所から 色んな町並みや あなたの姿眺めてた
最後ぐらいは笑顔でいようと言ってたのに 守れなくて

ずっとあたしは 知らない間に 欲張って求め過ぎてたかな
もう少しだけ あなたを好きでなければ もっと一緒にいられたかな

もしもあなたの事が 思い出に変わったら
幸せ過ぎて退屈な日も 泣き過ぎて疲れた夜も
全て同じくらいに大切だった事を 本当に好きだった事を
あたしは失くして初めて 気付くのでしょう

まばたきする音が 聞こえそうなくらい あなたが近くにいても
縮まることのない 距離が出来た事 本当は知っていたの

出遭った頃は 好きな音楽も 好きな香りも違っていたのに
いつの間にか あたしが選ぶものは あなたの好きなものになってた

いつもあなたの声が お守りみたいだった
不安な時も 負けそうな日も すぐ隣にいる気がしてたよ
どんな強い雨でも 歩けると思ってた あなたが肩を濡らしながら
傘をさしてくれてた事 気付けずにいた

もしもあなたの事が 思い出に変わったら
幸せ過ぎて退屈な日も 泣き過ぎて疲れた夜も
全て同じくらいに大切だった事を
本当に好きだった事を 誰より愛されてた事
あたしは初めてあなたに 気付くのでしょう
×