去し方の宿

春知らぬ 厚岸草(あっけしそう)の
紅は怨みの 色なのか
さだめ似通う 放浪花(さすらいばな)を
抱けば時雨れる 去し方の空

しあわせを 分け合えなくて
泣いて別れた ひともいた
北の岬に 漁火 燃えりゃ
思い出します 去し方の宿

盃に 浮かべて偲ぶ
母よいとしの 故郷よ
月日は戻らぬ 旅人だから
ギター泣け泣け 去し方の歌
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