遠い祭

幼い日 大人たちの
背中越しに垣間見た 秋祭
ときめきと 胸騒ぎ
少し寂しさの入り混じる 遠い祭

華やかな悲しさに ふと息づまり
振りむけば祭囃子 闇に紅い灯
それに似た あなたへの恋は
煌きながら 去ってゆく
片恋は いつも
遠い祭

てのひらに 握りしめた
風船がゆらりと 秋祭
水に写る 電球を
金魚の尾ヒレが消してゆく 遠い祭

ひとりきり はぐれた不安に息づまり
振りむけば祭囃子 闇に蒼い灯
そんな風に あなたへの恋は
めまいの中で 遠ざかる
片恋は いつも
遠い祭

華やかな悲しさに ふと息づまり
振りむけば祭囃子 闇に紅い灯
それに似た あなたへの恋は
煌きながら 去ってゆく
片恋は いつも
遠い祭
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