夜更けと蝋燭の灯

蝋燭の小さな灯が揺れる度
消えては現れて
今迄が揺れている

窓の外は雨
後悔が濡れている
今は遠過ぎて
その姿さえ曖昧だ

音無く夜は更けて
想いは一秒刻みだ
音無く夜は更けて
潤んだ赤茶けた風景だ

見知らぬ街の角
風だけが親しい
騒ぎ立つ木立が私の今を告げる

虹を追い掛ける
その嘘を知りながら
窓の外は雨
光と闇が曖昧だ

音無く夜は更けて
想いは弛んだ弦のようだ
音無く夜は更けて
漂う愛おしい一秒だ
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