安手の仮面と間抜けた男

立ち上がって 意地になって 振り解いて行く
懈い人生 懈い安寧を
その気になって 飛び上がって 飛べぬ毎日
降り積もってカビが生えていく

午前零時 言い訳 逃げ道探し
何処へ行く?
安手の仮面を被ったままで

霧になって消えて行った面影達
後尾灯の暗い光
恥ずかしくて 情けなくて うつむく度
保身の鎧を継ぎ足して来た
塗り込んで 誤魔化した 空の色
涙ぐんで夜を待っている
「駄目なんだ 嫌なんだ」長い影
つまらん仮面は被ったままで

街灯の白い光が歪む
何処にある?
誰かが言ってた「本当の姿」

―草葉ノ影カラ虫ノ声―

午前零時 奴等に別れを告げろ
午前零時 間抜けた素顔のそのままで
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