五月の空の下で

狂い出した歯車が今、
加速を付けて廻る
笑い出して走り出す朝
高架下 白いシャツ
五月の空の下で

直射日光にメッキを剥がれて
地金を晒す午後
立ち尽くして聴こえないふり
時計を見てるふり
五月の空の下で
足に絡み付くアスファルト

古いお伽話のような
救いの光を待つのだが
それらは遥か遠く
色淡く
地平の彼方に揺れている

狂い出した歯車が今、
加速を付けて廻る
構わねえさ
行くも戻るも背中の風に訊く
五月の空の下で
足に絡み付くアスファルト
五月の空の下で
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