空色のカーテン

「心配しないで」 笑顔を作って
ダンボ−ル三つだけで 引っ越した 小さな部屋へ
離れてく みんなの顔 車の窓から
ずっと ずっと 見ていたよ 真っ赤な鼻で

南向きの窓が二つ 賑やかな街 一人きり
この場所なら 好きになれそうだから
銀色の地下鉄が 息継ぎする駅
白い自転車に乗って 夏を探しに行こう

半分残した ミルクのグラスと
半分だけ残した 二枚めの イギリスパン
一人じゃ手に負えない 焼きすぎたハムエッグ
一人じゃ手に負えない 泣きすぎた気持ち

昼下がり 子供の声 溢れ出す街 一人きり
この場所なら 好きになれそうだから
古ぼけたボ−リング場 眺めのいい高台
新しい靴を履いて 散歩にでも出よう

「どうしたの? 元気ないよ」 励まされて
寂しがり屋同士 夜の間違い電話
繰り返し聴いている 「つづれおり」 の歌
空色のカ−テン引いて 夜明けが来るまで

胸いっぱい抱えるほど ふんぱつして
オレンジのガ−ベラを 部屋じゅうに飾ろう
白いシャツ ベランダで 風が揺らす
始まったばかりだね もう夏はすぐそこ
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