さだめ橋

軒を叩いて 降る雨が
やせた背中を 重くする
あなた今頃 どのあたり
おもかげばかりが つきまとう
渡りきれない さだめ橋

水でうすめた 酒なのに
飲めば心に 沁みてくる
路地にこぼれる 街灯り
身の上ばなしは 聞かないで
戻りきれない さだめ橋

肩にくいこむ 蛇の目傘
雨のしずくが 又からむ
抱いてください おもいきり
恋しいあなたの 腕まくら
逢いに行きたい さだめ橋
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