昭和任侠伝

上る湯煙り 未練をつゝみ
捨てゝ流した うしろ髪
今宵わかれの 水盃に
花もつぼみの 花もつぼみの
咲見町

春を待たずに 散るのも運命
同じ梢の若桜
利口者なら 行かない道に
雲を呼ぶ呼ぶ 雲を呼ぶ
修羅の風

口に出さぬが 男の心
死ぬも生きるも 二人連れ
後にゃ引かれぬ 任侠の意地を
月も見ている 月も見ている
富士見坂
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