海にひとしずく

ねえ あなたに抱かれて 腕の中 まどろめば
ほら かすかに聴こえるわ あなたの胸の潮騒
水面にはねてく 光るしぶき
きらめく波間に たどりつくの
あなたの海を泳ぐ 私は夏の人魚
終らない夢の中に 私をさらっていってほしい

ねえ 目覚めたその時 腕枕 ひとしずく
この 熱い涙の理由を
知ればあなたは笑うわ
こぼれた真珠の 小さな波
ためらう心に 広がるの
あなたの海に迷う 私は 夏の人魚
及び疲れた水の底に 私を 迎えに来てほしい

好きだと口に出せば こわれてゆきそうな
愛をそっと 貝がらにとじこめたの
終わらない 夢の中の私の宝石箱
あなたの海に迷う 私は 夏の人魚
泳ぎ疲れた水の底に 私を 迎えに来てほしい
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