流氷子守歌

やけつく火の酒を 呷(あお)れば思い出す
海を愛したあいつの 呑みっぷり度胸よさ
そとは白いオホーツク
出てゆく船もない
俺が歌ってやろうか
流氷子守子守歌

男の盃を かわした船乗りさ
惚れた女を泣かすな 泣かせちゃならないと
だけど可愛いあの女(ひと)を
ひとりにしたあいつ
酔えば二人で歌った
流氷子守子守歌

寝た子を起こすよに 吹雪が戸を叩く
おやじとめるな今夜は 拳でもう一本
あいつがいない九十六屯(くんろく)に
今度は俺が乗る
せめて歌ってやろうか
流氷子守子守歌
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