Circle of Rainbow

流れ落ちるビクトリアの滝
舞い上がる水煙に
太陽が描く巨大な
丸い虹がテレビに映る
いつかこの目で見たいと
旅に想いをはせかけて
横にいる犬に気づきしばらくは
お預けだったと思い出す

心なしか申し訳なさそうな
顔をしている様に見える
気にするなよ 冬の朝も明ける
そろそろ 散歩に出かけよう

歩道に差し込む朝陽が眩しくて
クシャミをした犬の鼻先に
小さな丸い虹が
一瞬だけかかったんだ
大切なものを探すために
人が旅をするのならば
僕にとってこの散歩道も
立派な旅だと気付くように
神様が君の鼻先に
小さな奇跡を起こしてくれたんだろう

スケールが大きいか小さいか
値段が高いか安いか
流行っているかいないかで
価値を決めていた僕だった

どこか遠くに行かなくても
きれいなものや美しいものは
この街中に きっと溢れている
小さな丸い虹を見つけたように

歩道に差し込む朝陽が弦しくて
クシャミをした犬の鼻先に
小さな丸い虹が
一瞬だけかかったんだ
もう一度クシャミをしないかと
待ってみたけど もうしなかった
僕らの意のままにいかないのも
自然の法則と笑いながら
だからこそ僕は余計に
特別な意味を感じてしまう

さぁ 宝探しの散歩ヘ
そろそろ出発しよう
一緒に霜柱をさくさく
踏みならしながら

犬の鼻の上に現れた
丸い小さな虹も
世界の割れ目に落ちる滝の
巨大な丸い虹も
同じように美しいと気付いたら
見慣れたいつもの散歩道が
本当に不思議だけど
きらきらと輝いて見える
神様 僕らのために
素敵な奇跡をありがとう

僕らの為だけに朝陽が
輝いたんだと思えた
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