新店祝い唄

紺ののれんに 白抜きで
「きよの」と染めた 酒場町
あんたと四十路(よそじ)の 旅立ちを
祝う樽酒 ぽこんと抜いて
ふたりぼっちの 新店祝い唄

苦労 九の坂 越えたのも
あんたの味の おかげです
包丁さばきは 得意でも
人をさばけぬ 不細工者の
舵をとるのは  女房のつとめです

今は名もない 小店でも
ふたりでまこと 寄せあえば
千客万来 春もくる
たのみましたよ たのまれました
誓う笑顔の 春待月夜唄
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