ピアノ

私はきっともうすぐいなくなると
知ったらあなたは泣くのかな
それともいつもみたいに恐い顔で
行くなと叱ってくれるかな

あなたと奏でる音は限りなくて
果てまで続くと思ってた
私が先に行くのはほんの少し
いたずらな風吹いただけ

言葉にならない夜は
ピアノを弾いて
誰も叶わない音で
空へ旅立つ私のために

持って行きたい記憶や宝物は
やまほどあったはずなのに
今はたったひときれの悔しさと
あなたのための祈りだけ

雨だれよりも甘く強く
ピアノよ響け
涙こぼすかわりに
つよがりだった私のために

あなたが紡ぐ音に
寄り添い、恋した
どんな綺麗な詩より
胸に響いた

言葉にならない夜は
ピアノを弾いて
誰も叶わない音で
空へ旅立つ私のために

言葉にならない夜は
ピアノを弾いて
二度と触れられなくても
どこかでいつも想ってるから
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