カナディアン アコーデオン

森のあいだを曲線の道が静かにのびてゆく
深いプールに沈み込んだ湖
無数に舞い散る粉雪が風を形にして見せる
冬の景色に流れそうな黄昏

君は窓辺にもたれたままで
僕は後ろの揺れない席で
バスのラジオが旅行く人に、やさしく
冬を奏でる カナディアン アコーディオン

冬の主にコヨーテが夜を知らせに駈けてゆく
空を見事に飾りつけた星屑
尖ったシャープな三日月が恋をリアルに見せかける
恋の視線をはぐらかしたオーロラ

君が誰だか知らないけれど
僕は何にも言わないけれど
恋の言葉は異国の響き、ささやき
冬を奏でる カナディアン アコーディオン

君は窓辺にもたれたままで
僕は後ろの揺れない席で
バスのラジオが旅行く人に、あなたに
冬を奏でる カナディアン アコーディオン
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