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√135

 
切り取られた星空の下、「聞こえる?」
続く道の夜の匂いに、ふるえる

足下に影を落とす、外灯もないのに。
こんな、小さな、人の影。
じゃり道をクツの底でこすり合わせて、
まるでその影を消すかのように、
目を瞑り。耳を澄ませて。
その声に気付いて、彼の空、見上げる。

この手に抱える全てのものは
夜空には当たり前で、
知りながら、光る。

抜き取られた言葉でも全部、伝わるの?
音も無く届く光は、これで全部なの?

生きていくその途中で、何もかもが
全て敵に見える時がある。
自分では望めないもの、欲しがってしまったり
無いものねだりの引き算が、体中をむしばんで
聞こえてきたその声に呼ばれて、
彼の空、見上げる。

この目にたたえる光の意味を
この手は知らずに、涙を拭う。

星の粒が降り落ちる。思考の回路が斜断する。
オリオン・シリウス・プレアデス
カペラ・ポルックス・ペテルギウス・アルゴ
プロキオン。アルデバラン。

地球の地軸が 回って 夜が白む。
星の瞬きは 次第に 薄れ、やがて…

この手に抱える全てのものは
夜空にはあたり前で、
知りながら…

この目に広がる全ての闇は
星空にはあたり前で、
知りながら、尚、光る。