君はゆける

忘れものはもう何もないんだという
重たい荷物に気持ちまで詰め込んだ君

その笑顔は前だけを見つめながら
まだ暗い街をそっと歩き出した

思い出すたびに 遠くなっていく
そして朝を告げる太陽が君をさらっていく

サヨナラひとつだけで君はゆける
今僕らに残っている景色 道しるべにして きっと

これさえあれば大丈夫だなんてさ
ひらり揺れるカーテンは君のにおいがした

今夜の東京は雨が降るらしい
ちゃんと折りたたみ傘持ったかな やっぱり心配なんだ

カナシミこぼれても君はゆける
その心に架かっている虹はきっと優しいから

日曜の午後なのに うるさい目覚まし時計
いつも止めてた役の君はもうどこにもいないけど
ふと窓の外を見た
はためくカーテンの裏で
この街にも虹が広がっていた

カナシミよ舞い上がれ もう止まらないでくれ
その向こうに続いている虹を探しにいこう

もう大丈夫 大丈夫 僕もゆける
どんなに離れてても忘れないから
忘れないから…

今僕らに架かっている虹の下で
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