雪にのせて

陽が沈んだ後の改札口に一人
ぼんやりと立ち止まる
帰りを急ぐ人混みの中で独り
時が止まっているようで

ふと見上げた高い高い空に瞳を奪われる
やわらかい風と光に包まれて
真っ白な雪が舞い降りたから

白く広がる小さなため息
かじかむ指先に吹きかけながら
あなたを思う それだけで
胸が熱くなるような気がして
たとえ今はどんなに離れていても
決して変わらぬこの想い

一年ぶりのコート ポケットの中に
半分に折れた紙切れ
二人で出かけた映画のチケット
蘇る記憶のかけら

遅れてきたあなた連れて
一番前に座った
隣の席で眠そうにしてたけど
それでもすごく嬉しかった

どこまでも続くアスファルトの上に
降り積もる雪をじっと見つめながら
あなたを思う それだけで
強くなれるような気がしたから
今は上手く言葉にできないけれど
誰よりも強いこの想い

瞬き何度も何度も繰り返した
溢れる涙 零さぬように
滲んだ街の光に
浮かんだあなたの面影
あの日と同じ雪にのせて

白く広がる小さなため息
かじかむ指先に吹きかけながら
あなたを思う それだけで
胸が熱くなるような気がして

あなたの好きな冬のこの街は
今年も綺麗に輝いているわ
会えない寂しさに負けそうな日は
こうしてこの歌を歌ってみるの
あなたに捧ぐ どんなに離れていても
決して変わらぬこの想い
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