夏の午後の約束

六月の気紛れ、雲を裂く日ざし
夏の香りが舞う穏やかな散歩道
安らかな君の眼差し、少し躓きがちな僕
この空にはどんな姿に見えているだろうか

菖蒲の花に囲まれた僕の先を行く君
その鮮やかな後ろ姿は何かを知っていた

蝶々が舞うように小さな幸せが舞う
君は青い花となって優しく触れるよ
穏やかで、静かで、落ち着いた夏の午後
僕らの言葉は静かに太陽へと消えていく

儚むことをもう忘れて、僕たちは季節を歩こうよ
僕らが見上げた青い空はその道を示した気がした

僕らどこまで歩いてきただろう
ずっと昔の景色が見えるよ
君は今、何を思っているのだろうね
空が奇麗さ
引きつった笑顔の悲しさを君は知っていたことだろう
君のその、変わらぬ笑顔を、
僕はずっと遠くで見ていたのだろう

空を優しく笑っている
君はずっと戦っていた
その果てに答えを見つけたなら全て忘れて構わないよ

菖蒲の花に囲まれて手を繋いだ僕と君
言葉にできぬ約束を僕だけは知っていた
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