始まりのヒト

ねえ 忘れないよ あなたのこと 他の人を好きになった
今でもまだ うしろめたく思い出してる

ねえ 忘れないよ グラウンドの隅にあった 青いベンチ
二人の名を刻み込んで 振り返るあなたを

ただ幼すぎて つないだ手 汗ばんでも はなせなかったね

10年経っても何も変わらない 想いが不意に蘇る
あんなに苦しい 恋はもうしてない なんでだろう 泣きたくなる
卒業アルバム最後のページに 小さく残したメッセージ
30年後も誰よりあなたを この胸は覚えてるから

ねえ 忘れないよ 世界地図に 落書きした 二人の国
子供じみた 約束だね 笑ってしまうよ

あの教科書に 詰め込んだ 思い出がぽろぽろ落ちた

10年経ったら 何もかも変わり 二人は会うこともなくて
忙しい日々に身を任せてる なんでだろう 泣きたくなる
淡い恋だった それでもよかった 小さく震えた胸の奥
30年後も誰よりあなたを この胸で覚えてるから

いったい何のために私たちは今を 追われるように生きているの?
誰の為でもなく 確かめる術もない
だけど信じたいよ いつかわかるって
いつか届くって これでよかったと言い
切れるときが来ると

卒業アルバム最後のページにもう一つ残したメッセージ
30年後もあなたはあなたで 私には始まりのヒト
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