雪伝説

闇に絣を 織り上げながら
しじまシンシン 雪が降る
思い出すのね こんな夜は
切るに切れない 未練の糸で
恋のまぼろし 機を織る
雪のおんなの 哀しみを

風の便りを 届けるように
ささめサラサラ 雪の声
聞いて下さい 寒い夜は
耐えて椿の 蕾の中に
ひとつ幸せ 紅の花
祈るおんなの まごころよ

差す手ひく手を 忍ばせながら
こごめチラチラ 雪が舞う
抱いてゆきたい 明日の夜も
迷い捨てれば 宿命の恋を
照らす雪洞 夢あかり
熱いおんなの いのち灯を
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