室生寺

どうしていいのかわからぬままに
すがりに来ましたみ仏に
教えてください室生さま
女のかなしみ曳きずって
朱塗りの橋を渡ります

愛してしまえば燃えつくさずに
おかない火の蝶恋の蝶
いとしさ憎さの繚乱舞い
夏にはみ寺のシャクナゲも
一期は夢と咲いてます

妻子を捨てさせ愛する人も
なくして五重の塔の下
救けてくだせさい室生さま
深山のしぐれは罪ぶかい
女の頬を叩きます
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