暗夜航路

生きてゆくのが 下手だから
にがさ重ねて 千鳥足
いいのいいのよ あんた……
風がヒュルヒュル 沁みる夜は
錨おろして この胸に

淋しがりやで 惚れたがり
なおらないわね 死ぬまでは
いいのいいのよ あんた……
一夜泊りの 船だって
ともす灯りは 夢灯り

苦労ひろって 港町
やせたおんなの 縄のれん
いいのいいのよ あんた……
つれていってと 云えないで
すがる背中に 霧が降る
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