港唄

貼り紙ひとつで 港の酒場に
荷物をほどいて もう六月
小雪がちらちら 降る夜は
こころもいつしか 雪になる
飲ませてよ 飲ませてよ
飲まなきゃ こころが寒すぎる
あなた、そばにいて
むかしのように 泣き虫と叱ってよ

東京ことばと 指輪をすてて
地元の女に なってます
あなたが一度は 抱きしめた
しあわせ知らずの 薄い胸
飲ませてよ 飲ませてよ
飲まなきゃ 誰かにまたすがる
あなた、そばにいて
冷たい足を 眠るまで暖めてよ

夜更けの酒場は 男も女も
過去からのがれて 酒を飲む
岬に流氷 去るころは
時計も明日へ うごきだす
飲ませてよ 飲ませてよ
飲まなきゃ こころははぐれ鳥
あなた、そばにいて
髪など撫でて 子守歌うたってよ
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