水たまり

また胸ん中に水たまりが出来ちまった
夜になると想い出が
ピチャンとはねてさ
この胸がおまえを恋しがるんだ
男ってのは淋しがり屋なんだよな

おまえは可憐な 俺の花
誰も汚せぬ 指させぬ
泣けば三日も 目を腫らし
泣かせた過去を せめている
水たまり 水たまり
おまえの夢が 揺れる夜

夜更けに小石を 蹴るたびに
すこし淋しい 水の音
胸におまえの ほほえみが
浮かんで消えて また浮かぶ
水たまり 水たまり
飛び越えながら 想う夜

ふと立ち停まるとさ
自分の影がやけに淋しそうでさ
また おまえのところへ
戻りたくなっちまうんだ
男ってやつは勝手だよな

さよなら言ったら くちびるに
黒髪噛んで ふるえてた
傘にかくれて 駆けだせば
小雨の街で 泣いていた
水たまり 水たまり
別れの顔が 浮かぶ夜
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